2015年11月9日月曜日

白山まるごと体験教室④「漁師から聞く白山麓の動物話」

先週の11/1(日)、石川県白山自然保護センターのイベントに初めて参加してきました。
今回は、 「漁師から聞く白山麓の動物話」というタイトルで。


・まずは、保護センターの職員Eさんからの導入。
白山麓で見られる主な動物は、 ニホンザル、イノシシ、カモシカ、ニホンジカ、ツキノワグマの5種類。
イノシシも段々と勢力を西から東へと拡大して、今では 能登半島の先端の方まで現れるようになってきた。S21~の報告でこれまでに捕獲数の報告が全然無かったものが、H5年程度から徐々に増加し、H25年では3,000頭あまりが捕獲されている。
80年前には白山麓にはいなかったシカが、最近は福井方面たらどんどんと入って来ていて、見られるようになってきた。H26年に47頭、今後も今のままでは増加するだろう。
他、動物の糞の違いや寝床、熊だな、シカの角の話、マーキングの話など。

・白山麓で古くから猟をされている猟師Hさん(65歳)から、グループでの熊打ちのお話。
10~15人のグループで行っていたツキノワグマ猟(S50年代のまき打ち)の話。
集落では、学校の先生が赴任したらすぐに銃の資格を取って、山での鳥や獣を得て、タンパク源を確保する役割を担う一人だった。
熊は、かしこくて、臆病な動物。鼻と耳はいいが、目が悪い。朝・夕に行動して、昼は寝ている。

猟は、朝6-7時に親方の家に集合。
熊場から熊を捜し、、、
向かい打ち(谷の逆の山にある熊場から熊の動きを監視する人、勢呼などへサインを出す)
打ち手(熊が居る山の頂上で待つ本打ち+左右に2人ずつくらい、計5人)
勢呼(熊を山の下から呼び、上へ追い上げる人、底(大声で上へ追い上げる人)1人、肩(左右で、熊の上がる方向ぶれを修正する人)2人、計3人くらい)

獲れた熊は、1-1.5hで解体。
毛皮(鞣して使う)、肉(初熊は集落の人へ少しずつ配る。保存は、みそ漬けなど。)、内臓(熊の胃、胆のうetc)、骨などへ分類する。参加した猟師で"均等に"山分けする。
タチ(膵臓)は、山の神へ捧げる。小腸は、木の枝へ掛ける。
※西に向いて、背(東)の方へ、タチを放る。

ジビエの味は、季節やドングリ・ブナのなり具合によって、大きく変わる。

・現在、猟をしているふもと会Aさん。
今のふもと会でのイノシシの受け入れから、解体(洗浄・内臓出し・皮剥ぎ・骨抜き・真空パック・冷凍)、販売肉のランク分けについて。
実際に解体施設(石川県で初めて食肉処理業の許可を受けた野獣解体施設)の見学もしました。
※去年、石川県内で捕獲された3,000頭のイノシシの内、この施設に運ばれたのは200頭。

一般販売価格などの詳細は、こちらから↓↓↓
一般社団法人 白山ふもと会 野獣肉の販売(http://fumotokai.sakura.ne.jp/service.html

その後、イノシシ鍋の試食。脂がのっている冬のイノシシ肉と脂があまりない夏のイノシシ肉の食べ比べなど。
※メニューは、猪骨の野菜スープ、味しゃぶ、焼き肉、骨付きモモ丸焼き、レバーのかつ、タン・ハツetc

・午後は、野生動物の痕跡さがし。
尾口地区の里山へ入って、 ククリワナの実演とシカ害などの観察をしました。


 
とても内容が充実していた体験教室でした!@西村

2015年6月6日土曜日

公的な白書等に見られる数値から

最近、様々な白書や試算が公表されていますね。


昨年末に、「国土のグランドデザイン2050」(国土交通省、2014/7/4)の話題(※1)を投稿しました。
(※1)
2010年に国土の無人地域が約53%(国土面積約38万km2に対し約18万km2)であるのに対し、35年後の2050年には約62%へ拡大する(出生率1.35を想定)ことが推計された。特に今の人口規模が小さい農山村での人口減少と都市部での人口増加が顕著に生じることから、結果的に「超都市の形成と無人地域の拡大」へと繋がる見通し。

先日は、 平成25年度食料・農業・農村白書(農林水産省、2015/5/27)が発表(※2)されました。
(※2)
現在、中心世代として農村を支えている高齢者(65歳以上)の人口が、10年後の2025年からは減少に転じる見通し。これを打破するために、若者の農業回帰による農山村の活性化への期待が述べられている。

ごく最近では、東京圏(1都3県)の介護需要の試算日本創成会議・首都圏問題検討分科会、2015/6/4)が公表(※3)されました。
(※3)
2015年、団塊の世代(1947-1949年生まれのおよそ800万人)のすべてが65歳以上の高齢者。10年後の2025年には75歳以上となり、全国の介護需要が32%増、首都圏では45%増と見込まれています。そんな中、医療・介護の受け入れ能力が低い東京圏では医療や介護の人材が25年に約80万-90万人不足するという見通し。そのため、高齢者の移住促進が求められている。


"いずれはいずれは"と農山村の担い手不足への危惧が長年警鐘されてきましたが、これからの10-20年でついに現実的な危惧との直面なのかという印象ですが、超大都市の形成と無人地域の拡大が進む見通し、農山村の担い手不足、超大都市の医療・介護環境不足、別々の試算ではありますが、根底とする問題は密接に関連していますね。

過疎が進む北海道夕張市などでは、「人口減を前提としたコンパクトシティ構想」も進められているようですが、どういった政策や教育が、今後の社会形成には必要なのかな、、、と考えさせれます。



2015年5月24日日曜日

山菜採り@高倉山 =第5回ヤマダチ会=

昨日は、第5回ヤマダチ会に参加してきました。

「第5回ヤマダチ会~山菜をもとめて高倉山へ~」

日時:5月23日(土)小雨決行
    8:30 受付開始(白山自然保護センター)
    9:00~12:00 高倉山林道散策(予定)
    12:30~14:00 山菜ランチ(白山ふもと会)


白山麓での山菜採りでは有名な大乗先生を講師に、木滑集落の高倉山(木滑集落の入会林で、通常は集落の方以外山菜は採れない所を、今回は特別に許可していただいたそう)にて行いました。

少し山菜採りには遅い時期だとは思いますが、午前の3時間で、

・ゴマナ(穂先)
・ウド(新芽)・・・きんぴらや掻き揚げに。
・クズ(新芽)・・・てんぷらに。太いものは、茎を生食できるようです。
・ワラビ・・・食べられるのは翌日です。
・アザミ(新芽)・・・いろいろな種類があるが、毒があるものはない。
・タラの芽
・オオナルコ・・・アスパラガスの様な姿。
・オオヨモギ・・・根から掘る。
・リョウブ(若葉)・・・"リョウブ飯"として、ご飯のカサ増しに用いられた。コシアブラを混ぜると好き嫌いがあるが、リョウブは主張が強くないので子供でも大丈夫なので、より好まれた(下記参照)。
・ギボウシ
・モミジガサ(キノシタ)
・ソバナ・・・食べると"おなら"がでるらしい。青じその様な見た目。
・ゴマナ
・ハリエンジュ(ニセアカシア)
・ハンゴン草・・・天ぷら、きんぴらに。
・ワサビ(葉)
・ミヤマイラクサ
・山椒・・・香り付けに。
・藤の花
・ウド


など、20種類以上!の山菜を発見&収穫することができました。


また、ホウチャクソウ(毒草)とアマドコロ・オオナルコの見分け方も、現地で根や茎の分岐の仕方を比べながらレクチャーを受けました。



途中、カモシカ(天然記念物なので、狩猟獣ではない)を見かけたり、残雪に触れたり、展望を眺めたり、山に入ってこその出会い?遭遇?もありました。



お昼は、白山ふもと会へ移り、収穫した山菜をてんぷらやおひたしにして、ふもと会の商品開発メニュー(猪オヤキ、猪ウインナー、エゾジカウインナー、熊汁)とともに、おいしくいただきました☆

秀さんの提案により、リョウブ飯も!里山の幸の豊かさを改めて実感できたイベントでした。





昨今の里山では、集落外(都市部の人など)の人たちによる、山野草の盗掘に悩まされているようです。山道の入り口を閉鎖したりと対策はしているようですが、なかなか目が届かない様子。。。
山菜の取り方を知らない人々の乱獲により、里山に回復ができないダメージも出ているそうです。

「毎年、同じところで同じように採りたかったら、正しい採り方を知って山菜採りに出る必要がある」
と教わりました。

例えば、
・コゴミやゼンマイは、株で育っているので、収穫の効率としては株ごと鎌で刈って持って行く人がいるが、それでは株ごと死んでしまう。2~3本、株の中でも残しておいてあげないといけない。
・草ごと採ってかえって食べられない部分を後で捨てるのではなく、現地で上部の新芽だけとることで、脇から次に成長できる新芽が育つように(タラの芽など)。


少しの知識や気遣いだけで、里山の恵みを後世に残しやすくできるのに、もったいないですね。
山菜採りイベントなどを通じて、この知恵をつなげて行ってほしいと思いました。



西村






2015年3月30日月曜日

新宿駅のBECK'S COFFEEで見つけました。

人が食用として飼育するようになった牛肉や豚肉とは違い、自然界から頂けるジビエ。
最近、その価値が見直されてきていると聞きますが、都会にもその波は着実に届いて来ているのでしょうか?


2015年2月16日月曜日

石川県白山ろく(白山ふもと会) =第3回ヤマダチ会=

東北地方で狩猟を意味する言葉「山立(ヤマダチ)」

山の友だち「山友達」

かけて名づけられた

【ヤマダチ会】
※山形の月山ヤマダチ組(山伏の坂本大三郎さんが発起人)からもインスピレーションを得たそう。

先日、ふと手に取った
石川県のフリーペーパー「Favo」の2015.No.106 (2月号)の特集が、【だから、今ジビエが食べたい!】(GIBIER HOT NEWS)!

そこに掲載されていたので、第三回ヤマダチ会に、飛び入り参加してきました。

まだ始まったばかりの活動で、

第一回(2014年12月13日) “ヤマダチ会”作りました~若手の集い~
石川県内のニホンジカの生息状況の講話、白山ふもと会の雰囲気、大勢で食べる猪料理(塩猪鍋、リブチョップの唐揚げ、猪タン塩、クマのヒレ肉などなど

第二回(2015年1月17日) ~野生の猪をもとめてブナオ山へ~
ブナオ山観察舎で猪を観察・解説を聞いた後に、2時間程度のかんじきを履いての雪山歩き体験。

そして、
第三回(2015年2月15日) ~ヤマダチ会ってどうしたい?~
発起人らが考えたヤマダチ会の今後に関する叩き台を紹介
・ヤマダチ会ってどうしたい?(有本勲さん)
・木滑里山保全プロジェクト山笑いの取組(仮)  (小杉裕香さん)


その後の懇親会で、猪料理を今回は部位ごとに食べ比べ。 
・イノシシの部位比較@シャブシャブ
1. 肩ロース
2. ウデ(カタ)
3.外バラ
4.前バラ(スペアリブ)
5.内バラ
6.ヒレ
7.ロース
8.外モモ
9.内モモ
10.シンタマ(前モモ)
11.チマキ(スネ)

12.仔猪のリブロース

その他1: 猪ほほ肉の煮込み
その他2: 熊肉の煮込み

・最後に、簡単なワークショップ形式で参加者のアイデアを引っ張りだして、KJ法で今後のヤマダチ会のスタンスについて、意見交流しました。


まだ、方向性は決まっていかない感じもしますが、可能性が多岐に広がっているということでもあり、中山間地域の里山文化を継承する上で、新しい風が起こせるかもしれません。


全国で農山漁村の存続が危ぶまれ始めて何年も経ちますが、あれよあれよと月日が経過してゆき、高齢化率が一段と高くなっていくばかり、、、。
都市と農山村の持続可能性をどう担保していく体系がいいのか、また考え、取り組む機会とできたらなーと、思っている筆者です。


西村

2014年10月13日月曜日

狩猟への道 =の困ったこと=

さて、

狩猟免許試験への合格 (免状は、約3年間有効)
猟銃等取扱い講習会の受講及び合格 (修了証は3年間有効)

の次は、射撃教習(技能講習)へ。

ここからの有効期限が短くなっており、「(射撃教習の)教習資格認定書」の有効期限が公布後”3か月”。
※3か月以内に教習射撃受けないと、また認定書の申請からになります。
つまり、3か月以内の教習の日時を確認して、 参加できる日にち(ほとんどが平日)を確認してから、「教習資格認定書の交付申請」を行わないと二度手間になります。


その後には、いよいよ射撃場へ行き、実際に銃器を扱っての練習&試験。
※受講料 \35,000(教習料、装弾代、クレー代、耳栓など) 

ここをパスすると「教習修了証明書」が公布されて、猟銃や弾薬、ガンロッカーの購入へと進むことが出来ます


ただ、ここからの有効期限が短くなっており、「教習修了証明書」の有効期限が公布から”1年間”。
1年以内に銃を所持しないと、また教習射撃からやり直しです。



ちなみに、私は、教習資格認定書の交付申請の前で様子見の現状。



一番の困ったことは、狩猟に参加できるめどが立っていないこと。。。

1.わな猟をする気はないので、狩猟のための師匠を探す必要があるのですが、地元民でもないのでアテがない。
(なかなか積極的に方々を回らないと難しいようですが、銃をもって一緒に行動するだけの信頼関係の構築が先ずは大事かな。)

2.隣の市に少しアテがあれど、所属する猟友会は居住地の猟友会なので、管轄が別。
(最近は狩猟民が減っているので、広域連携を始めているようなので、その広がりに期待)

3.今年の猟期の土日が出張ばかり
これでは、なかなか教えてもらうにも難しいかな。。。



まぁ、3年以内に何とかめどが立てばいいのかもしれませんね。
現実的には、時間の調整にメドが着いたら、地元の都道府県の猟友会へまずは相談かなぁ。。。


猟銃をもってしまうと色々と面倒なので、実際に狩猟への道のめどが立ってからの教習射撃へとなりそうです。
今期の狩猟登録も見合わせ・・。


地元の人でもなく、親戚が狩猟をやっているわけでもないとなると、なかなか繋がり作りが無塚しいですね。


続く。


稲刈り

富山県城端での稲刈りに行ってきました。
台風19号の影響もまだなく、いいお天気の下、予定していた範囲の稲刈り完了!
(といいつつも、私が到着した頃には9割方終わっていましたが・・・(^^;))


毎年変わらない農の営み。

なかなかconstantに参加できていませんが、
農業の種まきや収穫で四季折々、その年々の違いを感じる感覚は、
身体に季節や気候の変化を直接覚え込ませていく”刷り込み”の意味合いもあるのでしょうね。

自然と人の共生の時間に少しでも身を置くことの意味合いを、少し考察していました。


カレイダスコープでいうところの、協働と文化誌から、自然誌と感得を感じ、世界観を再考するという感じでしょうか。 
同じ場にいても、人それぞれの環境学習の鍛錬があるのでしょうが。