2013年2月24日日曜日

堅豆腐


色々な地域にあるようですが、石川県の白峰にも堅豆腐の文化があります。縄で縛っても型崩れしないという堅豆腐。
・【堅豆腐を使った大好評の創作カレー】
・【堅豆腐の味噌漬け(堅豆腐を特製の味噌に半年かけて浸け込んだ一品。お酒のつまみにちょうどいい。)】

最近は、【おからふりかけ】も出ているようです。

かつては重要なタンパク源、今は観光資源としても活かされています。

西村

2013年2月10日日曜日

莫大海(バクダイカイ)


獏大海の実をお湯の中に浸けておくと・・・

先日、金沢市の小料理屋さんで晩御飯を頂く機会がありました。


その時、お刺身の中にあった茶色い海藻のようなもの。

食べてみると、味もないし、、、、

何かわからない我々に、実物を持ってきて説明してくれました。

木の実を乾燥させたもので、 お湯に浸しておくと種子の周りの果肉が膨張して、大きくなる(右の図)。

お刺身の箸休めなどに使われているようです。

調べてみたら、インターネットでも購入可能でした。興味のある方は、みんなで試してみるのも 面白いかもしれませんね。

西村


2013年1月22日火曜日

トチ餅作り

トチ餅搗きに行ってきました。トチモチって、実はすごい手間暇のかかるものなんですね。

1.トチの実を拾う(シーズンは、9~10月)。
2.虫さらし(2~3日浸水して、トチの実から虫を出す)
3.干す(2~3週間、天日干し);ここの乾かし方で、薄皮のむきすさが決まるそうです!!!
4.皮むき (金づちで割る!)
5.あく抜き(流水に2週間さらす→灰汁で7~8時間煮る→灰洗い);ここのアクの抜き方で、とちもち独特の風味が決まる!
 ※あくを抜きすぎると味気がないし、あくがありすぎると苦い。昔は、この加減で、どこの家のとちもちがいいかと話題になったほどのようです。
6.もち米を蒸す時に、同時にトチのみを蒸す
7.餅つき
できあがり~~~

トチモチ搗きと同時にアワもちも搗きました。


西村 俊



2012年12月5日水曜日

かましいりこ

"かまし"とは、シコクビエのこと。
穂が鴨の足に似ていることから、「カモアシ」→「カマシ」となったという話。
白山ろく白峰地区では、"かまし"を挽いて炒ったもの(炒り粉)をお湯と練り合わせて食べる「かましいりこ」という食べ物が、おやつ代わりに食べられていたようです。
山間部の栄養補助食品である雑穀を、より食べやすくする工夫ですね。
カマシイリコそのままというよりは、砂糖を加えて食べるのが一般的なようです。

最近では、 かましせんべいなども商品化されているようです。

西村

2012年11月11日日曜日

白峰の焼畑~その2~

8月4日に焼畑&播種を行ってから丸3か月、ついに焼畑大根とカブの収穫の時期となりました。合間に畑を見に行くはずが、、、成長記録をお伝えできませんでした。。。来年こそは・・・。
 晴天に恵まれて、雪景色した白山山頂もきれいに見えました。焼畑大根は、"ス"が入らないそうで、確かに密な大根でした。そのままかじっても甘い!
  一人、大根10本、カブ3~5個頂きました。さて、どう料理しよう☆
 来年もたぶん開催されると思うので、ご興味のある方はぜひ!@白山ろく民俗資料館は色んなイベントをしています。
 西村 俊

2012年8月10日金曜日

白峰の焼畑

日本の山村生活の中で、焼畑が行われてきた地域はいくつか存在するようです。東北地方、中部地方、四国・九州地方。
※「アラキ」「カノ」、「ナギハタ」、「コバ」と分類される。
白山麓の焼畑は、中部地方の「ナギハタ」発祥とも言われている。

焼畑は主に3形態から成り、稗(ひえ)を主役とするヒエナギ、越冬野菜の大根やカブを主役とするナナギ、ソバ栽培を主役とするソバナギに分類されるようです(火入れの初年度に播種する作物名に由来する)。
今回は、大根と株の種をまいたので、焼畑としては「ヒエナギ」になります。

白峰では、焼畑農法を中心とした「出作り」という特異な住居形態をもちつ技法が使われ、夏だけ出作り小屋に移住して行う「季節出作り」と、一年中居住しながら行う「永久出作り」があったようです。

 雑草、雑木などを焼き払う焼畑から始まり、
草木の乾燥→草木を段状に組む(代作り)→火入れ→焼けた斜面に鍬入れしナギカリ(薙刈り)
そして、播種を行う。

草木をなぎ倒して焼くので、「ナギハタ」とも言われるそうです。

栽培作物; 稗(ヒエ)、カブ→粟(アワ)→大豆、小豆→カマシ(シコクビエ)や小豆 5年くらいの輪作の後、休耕地(休閑年;20~30年)として地力の回復を待つのが一般的。

何区画にも分けた斜面を1年づつ焼畑して行くことで、それぞれの作物を得ることができます。

施肥を行わず、焼畑で生じたその灰を栄養分として栽培作物を育てることができ、焼くことによる消毒、害虫駆除、殺菌、灰による栄養補助などの効果が考えられるが、焼畑で育てた「焼畑大根」や「焼畑カブラ」がどうしてこんなにおいしいのかは未だによく分かっていないらしいです(収穫が楽しみ!!)。

 収入源というよりは、山間部の田畑が少ない所での自給穀物・野菜の栽培が主目的だったようです。 越冬野菜として、大根やカブラが重宝され、保存食の文化とともに、厳しい山間部での生活を支える重要な農法だったようです。

当日は、「白山麓の焼畑農耕」(白水社)の著者である橘 禮吉先生もお越しになり、講演会も開かれました。
山村の複合的に稼ぐ生活ぶりの中での、焼畑、養蚕、炭焼き、山の案内人、工芸などの繋がりと広がりの大きさを感じました。

西村 俊

2011年11月20日日曜日

白峰雪だるまカフェ


石川県白山麓は、旧5村(河内村、吉野谷村、鳥越村、尾口村、白峰村)が合併した地域です。
※平成17年2月に1市2町5村(上記旧5村と、松任市、美川町、鶴来町)が合併し、「白山市」となりました。

現在、農林水産省北陸農政局「農山漁 村(ふるさと)地域力発掘支援モデル事業」の取り組みの中で、河内、吉野谷、鳥越、尾口の4地区が、【白山ろくぼたん鍋プロジェクト」協議会】(平成21年2月~)として、白峰地区が、【白峰雪だるまの里協議会】(平成20年11月~)として、それぞれ活動しています。

白峰地区は、大雪を活かした雪だるままつりや、伝統的な町並みの保存、伝統食(栃餅、ぼた餅、堅豆腐、そば、おろしうどんなど)の販売などを行い、その中で、雪だるまカフェは、伝統食の提供の場、更には活動拠点の中核となっている場所です。
今日は雪だるまカフェで、ぼたもちと堅豆腐の大切れ汁を頂きました。

地域の大学生も要のスタッフとして活動を支えながら、地域振興や活性化に知恵を絞る。その中で、【食文化】や【特有の風土】は、重要なキーワードとして捉えられ、再考されてゆく。

【地域活性化】という言葉の捉え方は様々かもしれませんが、地域に新しい風が起こったり、これまでの文化の大切さを振り返ったり、若者世代の情操を養う場としても行かされたり、このような複合的な活動がこれからの地域社会を支える要になるのではないかと感じています。

西村 俊